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E資格は、近年注目を集めているAI(人工知能)やディープラーニングに関する資格で、JDLA(日本ディープラーニング協会)が認定しています。この記事では、E資格の受験方法や難易度といった基本的な情報から、出題範囲(シラバス)、E資格取得のための勉強時間や認定講座まで解説しています。

なお、当記事の執筆者である株式会社zero to oneは、E資格の開始当初より5年以上にわたって『JDLA「E資格」向け認定プログラム』を提供しております。

Contents

E資格とは

E資格とは、一般社団法人日本ディープラーニング協会(通称「JDLA」)が認定する民間資格で、「ディープラーニングの理論を理解し、適切な手法を選択して実装する能力や知識を有しているかを認定する」資格です。正式名称は「JDLA Deep Learning for ENGINEER」といいます。

2018年の開始以来、コロナ禍で中止となった2020年8月試験以外は、基本的に毎年2月と8月の年2回開催、2022年10月時点で、これまでに7,544名が受験し、5,482名の合格者を出しています。

毎回、2月の試験を「#1」、8月の試験を「#2」として、受験年と合わせて、各回「JDLA Deep Learning for ENGINEER 2022 #2」(例えば2022年8月開催の試験)と銘打たれ、合格者はその名称のままに各自の合格タイミングが入った合格証を受領することになります。

E資格の受験方法・受験資格は?

それでは、E資格の受験方法や受験資格などについて詳しく解説していきます。

E資格の日程

2022年10月現在で発表されている、2022〜2023年開催のE資格の試験日程は以下の通りです。

  • 2022#1 2022年2月18日(金)・19日(土)*試験は終了しました
  • 2022#2 2022年8月26日(金)・27日(土)・28日(日)*試験は終了しました
  • 2023#1 2023年2月17日(金)・18日(土)・19日(日)
  • 2023#2 2023年8月25日(金)・26日(土)・27日(日)

例年、E資格は年に2回、2月中旬と8月下旬に実施されています。直近の動向を見ると受験日は主に金曜日、土曜日、日曜日に設定されることが多いようです。 

E資格の受験料

受験料については、以下の通りです。

  • 一般*:33,000円 (税込)
  • 学生:22,000円 (税込)
  • 会員**:27,500円 (税込)

*一般の方については、団体で受験を申し込むことができ、ピアソンVUE E資格受験サイトから詳細をご覧いただけます。

**会員の方については、申込みから2営業日ほどでJDLA事務局から割引クーポンが発行されます。

E資格の試験形式は?

E資格の試験形式は、

  • 試験時間:120分
  • 出題形式:CBT (4択式)
  • 問題数:100問前後

となっています。

CBT方式のため、実際にコーディングすることはありませんが、その内容を理解できていないと解けない問題も多いので、実装できるレベルが求められます。基本式については、予め頭に染みつかせておくと、時間の削減につながると思います。

合格率の高い試験ではありますが、プログラムを修了したレベルの高い受験者の中での競争になるため、しっかりと対策をして問題に慣れておく必要があります。E資格の試験範囲(シラバス)については、「応用数学」「深層学習」「機械学習」「開発・運用環境」の4つが対象となっています。(この記事の後半で詳しくご紹介します)

E資格の受験資格:独学での取得はできる?

E資格には受験資格というものが定められており、JDLA認定プログラムのいずれかを試験日の過去2年以内に修了していることが条件となっています。※2021年、2022年については、コロナウイルスによる特例とし、過去2年半以内までが有効です。

当社でも『JDLA「E資格」向け認定プログラム』を提供しておりますので、ご関心をお寄せの方は、こちらからお問い合わせください。

E資格の申し込み・受験

各位でプログラムを受講、各プログラム提供事業者が定める修了要件を満たして「修了者ナンバー」を得た上で、JDLA公式サイトからE資格の受験申込を行います。

実際の試験は指定された会場で、会場に用意されたPCにて行われます。受験の場合は早めに申し込みを行い、自宅近くの会場を押さえることをおすすめします。予約変更・キャンセルは、受験日時の 24 時間前まで可能です。

E資格の難易度は?

ここからは、E資格の難易度について、様々な面から見ていきましょう。

E資格の過去の受験者数・合格者数・合格率は?

JDLAの公式サイトに記載されている開催概要をもとに申込者数・受験者数・合格者数をまとめました。

開催回申込者数受験者数合格者数合格率
201834233723469.44%
2019#139638724563.31%
2019#271869647267.82%
2020#11,0761,04270968.04%
2021#11,7231,6881,32478.44%
2021#21,1931,17087274.53%
2022#11,3571,32798274.00%
2022#291789764471.79%
累計7,7227,5445,482
参考:JDLA 公式サイトより https://www.jdla.org/news/20220916001/

合格率を見てみると、これまで一定して60~70%で推移していることがわかります。しかし、合格率が高いからといって決して「易しい試験」ではありません。

そもそも受験者のすべてがE資格向けの認定プログラムを修了しており、しっかりと試験対策を重ねた人であることに留意すると、試験の難易度はかなり高いといえます。

また、2022#2の業種別の合格者については、1位がソフトウェア業 25.31%、2位が製造業 20.65%、3位が情報処理・提供サービス業 18.48%となっており、実務ですでに取り扱っている受験者が多いことが予想されます。

E資格の勉強時間は何時間?実際の合格者に聞いてみた

難易度の高いE資格ですが、合格に向けてどれくらいの勉強時間が必要になるのでしょうか。

当社の『JDLA「E資格」向け認定プログラム』の場合、受講生の総学習時間は、平均的には60時間~100時間、多い方は200時間程度となっているようです。

受講生のうち実際に合格した2名(学生・社会人各1名)の声を以下にご紹介します。

受講を開始した10月1日から、約1ヶ月程度かけて機械学習を修了しました。

続いて、約2ヶ月程度の時間をかけてディープラーニングの学習を行いました。

その後、約2週間かけてE資格パッケージを学習・修了し、本番までの約1ヶ月間が復習や理解を深めるための勉強に時間を使いました。

一日あたり4時間近く勉強していたと思います。

写経したり、E資格合格者に質問することも、合格するにあたっては大事だと感じました。

受講生A(学生)

受講を開始した時からコンスタントに勉強することを意識していました。

私は、平日は2時間、週末は5時間のペースで勉強を行っており、そのペースを崩すことは最後までありませんでした。

最初のうちは、E資格クイズは2~3割正解することしかできませんでした。

しっかりと理解しながら進めていたつもりでしたが、問題を解いて初めて気づくことも多かったです。

最終的には満点を取れるくらいまで勉強しましたが、それでも本番は難しいと感じました。

試験範囲は膨大で、公式を覚えて実装まで持っていかないといけないので、自分のオリジナルのノートを作りました。

定着と見直しという意味で、合格に役立ったと思います。

受講生B(社会人)

ある程度業務で活用されているような方であっても、合格に向けて一定の期間がかかっているようですので早めにスタートをきることをおすすめします。

E資格取得のメリットは?

それでは、E資格を持っているとどのようなメリットが得られるのでしょうか?

AIに関する即戦力の証明として転職活動でアピールできる

E資格の保有者は、JDLAの認定のプログラムを修了しており試験にも合格していることから、ディープラーニングやAIに関する一定の知識・スキルが証明されていることになります。

E資格自体の知名度が年々高まっていることから、実務経験がない場合であっても資格保有者であるというだけで即戦力として採用される可能性が高まります。実際にデータサイエンティストや機械学習エンジニアの求人では、E資格取得済みの求職者を優遇することが多くなってきています。

E資格取得者のSlackコミュニティに参加できる

E資格を取得すると、合格者専用のコミュニティ(Slack)に参加することができます。そのSlackでは、AIに関するニュースやイベントの情報を得ることができ、何が起こっているのかをキャッチアップすることができます。

コミュニティの中には30以上のチャンネルがあり、自分の興味のあるチャンネルに入って議論に参加することができます。例えば、製造業や金融業、メディカルなどの業種別、女子会やYouthなどの対象者別、更には地域別のチャンネルもあります。

合格者限定イベント「COLE DAY」に参加できる

E資格を取得すると、CDLE DAY というCDLE参加者(E資格、G検定取得者)限定のイベントなどにも参加することができます。

このイベントは、メンバーが一同に会し、お互いの現状を報告し合う、貴重な学びの場となっています。これまでオンラインにて年に2回のペースで開かれており、イベント後半に設けられた「オンライン懇親会」も人気となっています。

E資格を取得したメリットはある?実際の合格者に聞いてみた

実際の合格者にもE資格のメリットについて聞いてみました。当社の運営する『JDLA「E資格」向け認定プログラム』の受講者だった方から実際に寄せられたアンケート結果から抜粋・一部修正して掲載しております。

人工知能分野に元々興味があり、学生インターンとして働こうとした時にE資格を持っているということで、信頼を得ることができた。

合格者A(学生)

CDLEコミュニティでは、こちらから色々検索しなくても、向こうから様々な情報が送られてくるため、最新の情報に常に触れることができるというのが、とても便利です。

合格者B(社会人)

JDLAの理事長は、日本のAI分野の第一人者でもある松尾豊先生。このような権威のある方のお墨付きの資格・試験を受験して合格したというのは、とても自信になった。

合格者C(社会人)

やはり、合格者だけが入れるコミュニティのCDLEに入れることや、合格したことによって得られる「E資格合格者」の肩書、それによってディープラーニング等を実装できる実力を証明できることをメリットととらえている方が多いことがわかります。

E資格対応のJDLA認定プログラム

E資格の受験には、「JDLA認定プログラム」の受験が必要になります。ハンズオン授業の有無やサポートの有無などによって各社の内容は異なりますが、概ね10~30万円程度の料金設定をしている事業者が多いようです。

E資格対象のJDLA認定プログラム一覧表

認定番号事業者名URL
認定No.00002株式会社zero to onehttps://zero2one.jp/jdla-e-shikaku/
認定No.00001スキルアップAI株式会社https://www.skillupai.com/deep-learning/
認定No.00004株式会社STANDARDhttps://ai-std.standard-dx.com/
認定No.00005エッジテクノロジー株式会社https://www.aijobcolle.com/jdla-course/
認定No.00006株式会社キカガクhttps://www.kikagaku.co.jp/seminars/deeplearning/
認定No.00007株式会社アイデミーhttps://aidemy.net/grit/premium/curriculums/e-test/
認定No.00008株式会社AVILENhttps://s.avilen.co.jp/lp/ai-engineer-course/
認定No.00010NABLAS株式会社https://www.ilect.net/dl4e
認定No.00011Study-AI株式会社https://study-ai.com/jdla/
認定No.00012株式会社VOSThttps://ai-kenkyujo.com/ai-e-shikaku/
認定No.00013株式会社すうがくぶんかhttps://sugakubunka.com/intro_deeplearning/
認定No.00014株式会社Fusion Onehttps://kanda-ai-learning-center.com/
認定No.00016株式会社 Present Squarehttps://ai-edu.deepsquare.jp/
認定No.00017キラメックス株式会社https://techacademy.jp/biz/training/courses/dle

出典:一般社団法人日本ディープラーニング協会ウェブサイトより (2022年10月現在)

E資格の取得に使える補助金・給付制度・助成金

E資格に向けた学習は一般的に時間もお金もかかるプロセスになっていますが、一方で将来を見据えて国としてもその重要性を認識し、各種補助制度も設けられています。ここではその一部をご紹介します。

個人受講者の方へ:厚生労働省「教育訓練給付制度」

厚労省では、「働く方々の主体的な能力開発やキャリア形成を支援し、雇用の安定と就職の促進を図ることを目的として、厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した際に、受講費用の一部が支給される」制度を設けており、zero to oneの「E資格向け認定プログラム」も厚生労働大臣の指定を受けたプログラムの1つとなっています。

そのため、一定の要件を満たした受講生の方が受講・修了いただいた場合、受講料の最大70%が助成されます。つまり、zero to oneの「E資格向け認定プログラム」を定価で150,000円(税抜)で受講された方が、この制度を最大限利用していただいた場合、実質45,000円(税抜)で受講いただくことが可能となるのです。

企業の人材育成担当者の方へ:厚生労働省「人材開発支援助成金」

事業主が労働者に対して訓練を実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成する「人材開発支援助成金」に、令和4年度から6年度までの間、新たな助成コース「人への投資促進コース」が設けられており、その中の「高度デジタル人材訓練」の助成対象としてE資格向けのプログラムも含められるようです。実際、zero to oneのお客様でも「E資格向け認定プログラム」受講に際し、この制度を利用されている方がいらっしゃいますので、ご参考にしていただければと思います。

これらの助成制度を利用した受講や、助成金を活用した人材育成をご検討の方もお気軽にご相談ください。

E資格受験者におすすめの参考書・副教材は?

これまで、zero to oneが『JDLA「E資格」向け認定プログラム』の教材開発やサポートをしてきた経験や、合格者の皆さんにインタビューをさせていただいた結果をもとに、E資格の受験者の皆様におすすめの参考書や副教材をピックアップしました。

E資格受験におすすめの参考書3選

深層学習 改訂第2版(機械学習プロフェッショナルシリーズ)

まず最初にご紹介したいのは、弊社zero to oneの顧問であり「機械学習」の監修も務めていただいている、東北大学大学院岡谷貴之先生の「深層学習」です。

zero to oneの「機械学習」「ディープラーニング」教材開発の際に大いに参考にさせていただいているのはもちろん、JDLAの「合格者(CDLE)が選ぶ推薦書籍」(https://www.jdla.org/recommendedbook/)でも紹介されています。2022年に出た第2版で内容もかなり増強されていますので、是非ご参考にしていただきたい1冊です。

DEEP LEARNING 深層学習

次にご紹介したいのは、元Google BrainのIan Goodfellow氏ほかによってまとめられている「Deep Learning」です。

こちらは特にzero to one「ディープラーニング」教材開発の際に、参考にさせていただいています。

なお、英語の原文はこちらのサイトで公開されています。

徹底攻略ディープラーニングE資格エンジニア問題集

書籍としては最後の1冊、E資格の試験に向けた対策として、いわゆる「黒本」も人気の1冊です。

zero to oneの『JDLA「E資格」向け認定プログラム』と一緒に学習に利用していただくと効果倍増とも言われていますので、こちらも試験対策にはご参考にしていただければと思います。

E資格受験におすすめのYouTubeチャンネル3選

これまで多くの合格者の方々の声を聞いていると、zero to one教材や上記に挙げたような参考書に加えて、「ウェブサイトを検索して情報を集めた」という方も大変多くいらっしゃいます。E資格取得後にAIエンジニアとしてキャリアを積んでいく上では、「ウェブサイト検索等で自ら情報を集める」ことも大切な素養になっていきますので、E資格向けプログラム受講段階からそのような癖をつけていただくことは、とても重要なことでもあると感じます。

特にYouTubeとQiitaが役に立ったという声を聞くことが多いのですが、ここではおすすめのYouTubeチャンネルについて3つご紹介します。

Able Programing:「機械学習」分野の参考に

https://www.youtube.com/channel/UCh5M2YUAPW7HnpfTUv7XHmA

Alcia Solid Project:「ディープラーニング」分野の参考に

https://www.youtube.com/channel/UC2lJYodMaAfFeFQrGUwhlaQ

予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」(通称「ヨビノリ」):全体通して特に数学分野の参考に

https://www.youtube.com/channel/UCqmWJJolqAgjIdLqK3zD1QQ

特に「ヨビノリ」については、zero to oneともコラボを進めており、以下の「<体験型>学習ブログ」にて、「ヨビノリ」の動画と合わせて、プログラムを実行しながら学んでいただくことが可能です。こちらも是非ご覧ください。

予備校のノリで学ぶ「L1/L2正則化」:ヨビノリ & zero to one コラボ企画第一弾

また、E資格受験者に特に参考になりそうな数学テーマについて、「ヨビノリ」の動画をリスト化していますので参考にしてください。

テーマURL
固有値分解https://www.youtube.com/watch?v=_TgBFx0jwRQ
https://www.youtube.com/watch?v=FTC_aekgqCg
https://www.youtube.com/watch?v=HxkZgaY8uZg
確率論https://www.youtube.com/watch?v=Bj8fkq533Dc
ベイズ則https://www.youtube.com/watch?v=oUN_GhB00fU
条件付き確率https://www.youtube.com/watch?v=oUN_GhB00fU&t=16s
最尤法https://www.youtube.com/watch?v=1ShUUblhb4s
最小二乗法https://youtu.be/Zz1sgYxrA-k
交差エントロピーhttps://www.youtube.com/watch?v=xzzTYL90M8s
Sigmoid関数https://www.youtube.com/watch?v=xzzTYL90M8s
ReLU関数https://www.youtube.com/watch?v=xzzTYL90M8s
ハイパボリックタンジェントhttps://www.youtube.com/watch?v=Yvcngy6xtio
誤差逆伝播法https://www.youtube.com/watch?v=0itH0iDO8BE
勾配降下法https://www.youtube.com/watch?v=p7hEoWv7pp4
微分連鎖律https://www.youtube.com/watch?v=0itH0iDO8BE
L1正則化 / L2正則化https://www.youtube.com/watch?v=3vfiMRjgzZ8

E資格の試験出題範囲(シラバス)は?

E資格の試験出題範囲(シラバス)についてはJDLAのウェブサイトで公開されていますが、主に以下の4分野が対象となっています。

  • 応用数学
  • 機械学習
  • 深層学習
  • 開発環境、運用環境

ここでは、zero to oneの「E資格」向け認定プログラムの内容に則って、各分野についてさらに詳しく解説をしていきます。

応用数学

応用数学コースでは、人工知能と繋がりが非常に深い以下の3分野を学習します。

1. 微積分(解析)学

微分・積分の基本的な概念は、機械学習や深層学習の学習の過程を理解するのに必要な知識になります。特に、連鎖率の性質を利用した誤差逆伝播法(バックプロパゲーション)は、その仕組みの根本的な理解が非常に重要です。

2. 線形代数学

線形代数学では、行列やトレース、ノルム、内積、固有値と固有ベクトル、最小二乗法などについて学習します。特に、行列の性質と計算方法、最小二乗法の理解は、人工知能の実装に不可欠です。

3. 確率統計学

確率統計学では、確率の基本原則やベイズの定理、独立、確率密度関数、平均・分散・共分散、ガウス分布などについて学習します。モデルの出力の出力の結果を確率として解釈する機械学習の分類問題や、確率分布を用いて実在しないデータを生成する深層学習の生成モデルなどに見られるように、人工知能と確率は密接に結びついています。

機械学習

機械学習コースでは、以下の8つの必修ステップを通じて人工知能の基礎である機械学習について学んでいきます。

Step 1. イントロダクション

基礎的な数学知識(線形代数、確率)を確認した上で、機械学習の種類とそれぞれの概要について大まかに学びます。機械学習は大きく、正しい答えを与えて学習させる教師あり学習、正しい答えを与えずに学習させる教師なし学習、環境から得られる報酬を最大化するように機械自ら学習する強化学習、の3つに区分されます。

Step 2. 回帰

教師あり学習の代表である回帰問題について学びます。回帰問題とは、例えばある物件の部屋の広さから賃料を予測するなどといった、なにかしらの連続値を予測する問題のことです。与えられる特徴量(部屋の広さなど)の数に応じて、線形回帰非線形回帰といったアプローチで予測を行います。

また、予測した値と実際の値の誤差を計算するための関数(損失関数)の傾きに注目し、誤差を最小化する手法である最急降下法などについても詳しく学びます。

Step 3. 分類

教師あり学習の代表である分類問題について学びます。分類問題とは、例えばあるメールが迷惑メールかどうかを判別するといったような、なにかしらの離散値(カテゴリー、グループなど)を予測する問題のことです。特に、二項分類問題(分類したいカテゴリーが2種類の場合)では、ロジスティック回帰というアプローチを用いてあるデータがあるカテゴリーに属する確率を出力し、それによって分類を行います。

また、多くのデータを分類したときの分類の精度を示す指標として、適合率再現率といった概念も学習します。

Step 4. ニューラルネットワーク

ニューラルネットワークとは、Step 3. で学ぶロジスティック回帰を多段にしたものです。ニューラルネットワークを利用することによって、ロジスティック回帰では対応できないより複雑なタスク(正確には、線形分離が不可能なケース)に対応できるようになります。Step 4. では、このニューラルネットワークの基礎について学んでいきます。

また、ニューラルネットワークの学習の核となるフォワードプロパゲーションやバックプロパゲーションについても学習します。これらのプロセスの理解には、微分の連鎖律の概念が頭に入っているといいでしょう。

このニューラルネットワークの仕組みは、深層学習コースの理解に非常に重要になります。

Step 5. 機械学習モデルの実践に向けて

構築した機械学習モデルが実用的であるためには、学習に使用したデータに適合していること以上に、未知のデータに対して高い精度で予測を行えること(汎化性能という)が重要ですが、現実ではうまくいかないことも多く、様々な問題(損失関数の勾配が爆発・消失する、アンダーフィッティングオーバーフィッティングに陥るなど)が生じるものです。Step. 5 では、モデルの汎化性能を向上させる代表的なテクニックとしてまず、正則化について学びます。

また、正則化以外で汎化性能に関わるものとして、モデルの決定過程や、データセットの下準備の方法などについても学習します。

Step 6. サポートベクトルマシン

ロジスティック回帰やニューラルネットワーク以外の分類アルゴリズムとして、サポートベクトルマシン(SVM)について学習していきます。SVMでは、カテゴリーを区別する境界線(決定境界)を、マージン最大化という考え方を利用して導き出します。具体的には、カテゴリーのサポートベクトル(他のクラスに最も近い訓練例)同士の間隔(マージン)が最大になるような決定境界を引きます。

また、ニューラルネットワークがロジスティック回帰よりも複雑なタスク(線形分離不可能なケース)に対応したように、SVMにも、線形分離不可能なケースに対応する方法があります。それが、カーネル法です。

Step 7. 教師なし学習

教師なし学習は、訓練データと対応する正解データを与えて学習させるこれまでの教師あり学習とは異なり、正解ラベルのないデータから何らかの構造を見つけ出すための手法です。例えば、以下のような分布のデータを、k個のグループ(クラスタ)に分けるk-meansクラスタリングは、教師なし学習の代表であるクラスタリング・アルゴリズムの一つです。

また、分布が球状ではないデータも適切にクラスタリングすることができる手法であるDBSCANについても学習します。

Step 8. ディープラーニング

ディープラーニング(深層学習)とは、多層構造のニューラルネットワークを用いた機械学習手法のことです。Step 8. では、深層学習コースの受講に先立ち、バックプロパゲーションなどのニューラルネットワークの基礎的な概念の確認を行った上で、深層学習が現実社会でどのようなタスクに利用されているかを見ていきます。例えば、写真加工アプリなどについている、写真を絵風に変換する機能などにも深層学習が用いられています。

その他にも、シーン認識やノイズ除去、画像認識、音声認識、自然言語処理など、深層学習は非常に幅広く活用されています。また、詳しくは深層学習コースで登場しますが、これらのタスクを可能にする深層学習の代表的なモデルである畳み込みニューラルネットワーク(CNN)回帰結合型ニューラルネットワーク(RNN)の概要についても見ていきます。

深層学習

深層学習コースでは、以下の8つの必修ステップを通じて、ニューラルネットワークを用いた機械学習とはどのようなものなのか、学んでいきます。

Step 1. イントロダクション

Step 1. イントロダクションでは、人工知能の発展の歴史や、ディープラーニングの産業での応用例について見ていきます。特に、画像認識コンテスト「ImageNet Large Scale Visual Recognition Challenge(ILSVRC)」の2012年大会をはじめ、ディープラーニングが注目されるきっかけになった歴史上の出来事についても、E資格では出題されます。

深層学習は今もなお盛んな研究がなされている最先端の技術であり、その汎用性の高さから、様々な業界で利用されています。特に、医療現場での応用はその成果が顕著で、膨大な医学論文を学習した人工知能が、専門家でも判断の難しい特殊な白血病をわずか10分で突き止め、患者の命を救ったという例も実際に報告されています。

Step 2. ニューラルネットワークの基礎

このステップでは、AND回路やOR回路などの有名な論理回路を用いてシンプルなニューラルネットワーク構造を理解した後、入力や出力が複数ある分類問題(マルチクラス分類問題)をニューラルネットワークを用いて解く手法を見ていきます。

また、フォワードプロパゲーションバックプロパゲーションなど、ニューラルネットワークの学習の過程や、データセットの偏りやノイズをなくす正規化というテクニックなどについて学びます。

Step 3. ニューラルネットワークの改善

このステップでは、これまで学んできたニューラルネットワークの実用上の課題を理解し、モデルの精度をより向上させるためのメソッドを学んでいきます。例えば、モデルが訓練データに過度に適合させすぎてしまい、汎化性能が下がってしまう問題(オーバーフィッティング過学習)を解決するための手法である正則化やドロップアウトについて学びます。

また、予測値と実際の値の差分である損失を最小化するようにモデルを学習することを最適化といいますが、この最適化の手法についても、有名な確率的勾配降下法をはじめ、様々な手法を学んでいきます。

Step 4. 畳み込みニューラルネットワーク

畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Network, CNN)とは、入力データの特徴を捉えやすくする「畳み込み」というテクニックを利用したニューラルネットワークです。とりわけ画像認識などのタスクにおいてその有用性が証明されており、特定のアプリケーションではすでに人間の画像認識率を上回ると言われています。

ステップ前半では、CNNの構成要素である畳み込み層やプーリング層の仕組みとはたらき、効果的に畳み込みを行うためのテクニックについて学びます。

ステップ後半では、GoogLeNetやResNetなどの有名なCNNモデルについて学習します。各CNNモデルの登場した背景や特徴、共通点・相違点はE資格試験でも頻繁に出題される問題の一つです。きちんと押さえましょう!

Step 5. 回帰結合型ニューラルネットワーク

回帰結合型ニューラルネットワーク(Recursive Neural Network, RNN)とは、順番が重要なデータ(音声データや文書データなど)を取り扱うのに適したニューラルネットワークです。そのため、音声認識や機械翻訳などの分野で多く活用され、その性能向上に大きく寄与しています。ステップ前半では、RNNの計算手順(フォワードプロパゲーションやバックプロパゲーション)やRNNの基本形であるEncoder-Decoderモデルなどについて学習します。

また、ステップ後半では、「入力データ系列が長くなるほど、保持できる過去の時系列データの量には限界がある」というRNNの先天的な問題に着目し、それを克服するためのテクニックや、モデルについて学習します。このようなモデルの代表格は、LSTM(Long Short-term Memory)です。

Step 6. 生成モデル

あるデータがどのクラスに分類されるかを予測するモデルを識別モデルと呼ぶのに対し、生成モデルとは、あるデータがどのように生成されたかをモデル化するという枠組みです。データの生成過程をモデル化することによって、実際には存在しないデータを生成することも可能になります。

ステップ前半では、生成モデルの前提となる数学知識(確率、ベイズの定理、イェンセンの不等式など)を確認したのち、画像生成モデルの代表格であるVAE(Variational Auto-encoder)やその派生モデルについて学びます。

ステップ後半では、存在しないデータを生成する生成器(Generator)と、生成器が生成した偽造データと本物のデータを区別する識別器(Discriminator)が敵対するように学習を行うことによって、非常に高精度な画像を生成することができるモデルであるGAN(Generative Adversarial Network)とその派生モデルについて学習します。

Step 7. 強化学習

これまでに学習した教師あり学習、教師なし学習とは異なり、強化学習とは、機械自身が置かれた環境のもとで何らかの行動をとり、その結果の良し悪しをもとに学習を行います。行動によって得られる対価(報酬)が良くなるように学習が進むので、強化学習を利用すると、囲碁やビデオゲームなどで人間に勝利するAIを作ることができます。

強化学習は大きく、モデルベースモデルフリーという手法に分類されますが、ステップ前半では、価値反復法方策反復法などのモデルベースの手法を学びます。

ステップ後半では、モデルフリー手法の代表格であるモンテカルロ法TD法方策勾配法やその他のモデルについて学習します。

Step 8. 深層学習の応用

ディープラーニング講座最後のステップでは、深層学習が現実社会でどのようなタスクに利用されているか、その具体的なモデルも含めて学習していきます。特に画像認識や物体検出、自然言語処理や音声認識は深層学習が利用されているメジャーな分野の例です。

それ以外にも、「機械学習モデルがモデルをどう学習するかを学習する」メタ学習や、モデルがどのような理由である判断を行ったのかを可視化するための説明可能性など、深層学習は実に幅広い領域で活用されています。

E資格をご検討中の方へ

E資格の取得をご検討の方は、是非当社の提供する『JDLA「E資格」向け認定プログラム』をご検討ください。

E資格をご検討中の法人の方へ

『JDLA「E資格」向け認定プログラム』の資料提供や、プログラムについてご不明の点がございましたら、下記のリンクよりお申し出ください。弊社営業担当より回答いたします。

当社のE資格認定プログラムの受講フロー

講座のお申し込みをご検討中の方向けに、下記に受講に向けたフローを記載しております。

  1. 受講開始日を弊社までご連絡(お客様→弊社) *受講は平日スタート
  2. 上記内容にて見積書兼利用申込書を発行しご連絡(弊社→お客様)
  3. 見積書兼利用申込書に記入の上、ご本人確認書類とともにメール添付および原本郵送にてご返送(お客様→弊社)
  4. ご返送後、弊社にて受講料のご請求書の発行、ご郵送(弊社→お客様)
  5. ご入金(お客様→弊社) *講座開始の2営業日前まで
  6. ご入金確認後、ログイン情報のご連絡(弊社→お客様)
  7. 受講開始

受講開始希望日をお知らせいただければ、お見積書を発行させていただきます。

E資格取得をご検討中の個人の方へ

zero to oneでは、『JDLA「E資格」向け認定プログラム』について現在2つのコースを準備しております。

教育訓練給付制度の対象となるコースや、既習者に向けたスピードコースを用意しておりますので、当社の認定プログラムをご検討中の方は下記のリンクよりお申し出ください。

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